2023年のいい夫婦の日(11月22日)は、すこし特別な感じがした。おしどり夫婦を代表する反町隆史と松嶋菜々子が、なんとCM作品で共演を果たしたのだ。
このタイミングでの放映に驚くとともに、終始穏やかな雰囲気にほっこりもさせられた。 「イケメンとドラマ」をこよなく愛するコラムニスト・加賀谷健が、反町&松嶋夫婦の変わらない円満を読み解く。
どちらかが話題になり続けた2023年
今年で結婚生活23年目になるのか。伝説的大ヒットドラマ『GTO』(関西テレビ、1998年)での共演がきっかけで2001年にめでたく結婚した反町隆史・松嶋菜々子夫妻は、いつまでも麗しい。銀婚式目前と考えると、時の経過は早い。 その間、おしどり夫婦代表に絶えずあげられている。2023年2月には街中でドリンクを飲む姿がキャッチされるなど、円満な関係性は健在な様子。肩肘張らず、でもゴージャス。洗練された夫婦の理想形がある。 松本潤主演の大河ドラマ『どうする家康』(NHK、2023年)では徳川家康の母役として松嶋を毎週のように見にしていたし、反町も秋頃に『GTO』の続編放送決定が発表されるなど、夫婦のどちらかが話題になり続けた2023年でもあった。
いい夫婦の日に放映開始
欲を言えば、結婚のきっかけになった『GTO』の続編なのだから、これはもしかして夫婦再共演もあり得るのかなんてことも。そんなことを図々しく考えていたら、きたきた。
結婚の翌年に放送された大河ドラマ『利家とまつ~加賀百万石物語~』(NHK・2002年)以来、実に21年ぶりの夫婦共演が実現してしまったのだ。何とコマーシャル作品。これは驚いた。まさかこんなすんなり流れるように。
やっぱりどこまでも華麗な夫婦だ。しかも放映開始が、11月22日(いい夫婦の日)。タイミングよし、日取りよし。まるで再度結婚式が執行われたかのようである。肝心のCM作品もよかった。
しっとり、うっとり…心地よい夫婦CM
資生堂の『SHISEIDO MEN』CMは、松嶋菜々子のモノローグで始まる。「夫の肌を見ると思います……」。肌のCMらしく、これはまたしっとり、うっとりするような雰囲気だなと思う。 白を基調とした空間。スツールに座った反町と松嶋がただ見つめ合う。メンズ化粧水だから、肌につけるのは反町の方だ。松嶋が反町の手のひらにそっと化粧水を振りかけてやる。 冒頭のモノローグ通り、松嶋がさらに見つめ続ける。すると反町がいかにもハンサムな笑みを浮かべて、「なに?」と短く聞く。対する松嶋は、「ううん」と首をふる。何と心地よい夫婦CMだろう。
自虐的な発想の共演も
夫婦のCM共演で言うと、藤井隆・乙葉夫婦の出演頻度はなかなかのもの。現在放映中のCMだと、SUBARUの新SUV『レイバック』で夫婦揃って新車を見る姿が何とも息ぴったりという感じ。 筆者が特に好感を持ったのは、2013年に結婚した北村有起哉・高野志穂夫妻のAmazoプライムCM共演。俳優夫婦らしく、ドラマ形式のCM作品だからこそ伝わる空気感があった。 あるいは自虐的な発想の共演もある。2019年に複数不倫が発覚し、謝罪会見で何度も頭を下げた原田龍二が、山本漢方のCMで妻・愛と出演を果たしている。筋トレに励む夫の姿を妻がしっかりおさえるという構図が、ちょっと笑える。
夫婦であり続けている事実
いずにしろ、今回の反町と松嶋のCM共演は、さりげなくも異例中の異例だったという印象がある。それだけに2024年のさらなるおしどりぶり、そして共演歴の更新を期待してしまう。 とはいえ、芸能界を代表するベスト夫婦がこれまでの年月、変わらずに夫婦であり続けている事実を筆者はやっぱり感慨深く思ってしまう。いい夫婦の秘訣は? とかそういうことじゃない。 長い歳月の中で変わっていくことも当然あるだろうけれど、変わらないものも確かにある。それを愛と呼ぶのか、どうか。どっちにしろ、反町&松嶋夫婦の円満は続くわけで、これは俄然、ふたりのドラマ共演への期待が高まる。
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